かがやく☆あいちの表彰・認定企業
愛知環境賞受賞企業
瀬戸製土株式会社
人とのつながりの中で、環境にやさしい“土”をつくっています。
瀬戸製土株式会社
陶器原料の製造・販売やセラミック雑貨の開発を手掛ける。「人にやさしく、地球にやさしく」をモットーに、地場産業の伝統や先人の知恵を受け継ぎ、新しい技術開発と製品づくりを行う。自然由来の素材からできたバイオマス粘土「アイコーン」で愛知環境賞を受賞。
瀬戸製土株式会社
会長 谷口良治郎様
会長 谷口良治郎様
レポーター
愛知淑徳大学文学部教育学科 稗田将志さん
愛知淑徳大学文学部教育学科 濱中啓太さん
「愛知環境賞」とは?
2005年の愛知万博開催に合わせて創設。省資源や省エネルギー、リサイクルなどに関する優れた技術や活動などを表彰し、資源循環型社会を推進することを目的としています。
Q.愛知環境賞を受賞した経緯を教えてください。
Student's view
瀬戸製土さんは行政と連携しながら、自社の環境技術・持ち味を存分に生かして、地域への貢献をしていました。そのような社会貢献のかたちもあるのだと初めて知りました。
Q.ほかにはどんな製品づくりに取り組んでいますか?
160℃に温めた家庭用オーブンで手軽に陶芸が楽しめる「オーブン粘土」や、特許技術である通常よりも低温で焼ける「低温焼成磁器粘土」などがあります。通常、陶磁器を焼くには約1300℃もの高温の窯が必要ですが、低温焼成磁器粘土なら約1100℃の低温かつ最大約20時間も焼成時間が短縮でき、エネルギーコストを36%以上削減しました。低温でありながら一般的な陶磁器より丈夫。しかも、下絵の色を鮮やかに残すことができるため、子供にも喜んでもらえるカラフルな絵付けができます。イギリスやフランス、南アフリカやインド、ニュージーランドなど世界中からあらゆる粘土原料を厳選するなど、試行錯誤してこの技術を編み出しました。
Student's view
創業時は土を扱うのみの製土業だったそうですが、現在では様々な素材だけでなく、セラミック系の雑貨などもつくられているそうです。時代のニーズに合わせ、柔軟な考え方を持っている会社だと思いました。
Q.いろいろな企業と協力して開発することが多いのですか?
Student's view
意外な企業や学校とのつながりが、新しい製品を開発する上での強力なパートナーになるのだと知りました。そのパートナーを引き寄せる、谷口さんの人柄や人望を目の当たりにして、自分もいつかこんな人間になれたらと思いました。
Q.これから目指す企業像を教えてください。
Student's view
常に地域のため、社会のため、お客様のため。その経営方針に感銘を受けました。こういった方が、経営者として成功するのだなと感じるとともに、自分も利益だけではなく社会貢献の面でも影響力を持つ社会人になりたいと思いました。
編集後記
訪問前のイメージでは、直接お客様と関わることは少ないのではと思っていましたが、瀬戸製土さんは様々な分野の人たちと、密接な関係を築いていました。地域の組織や学校と連携しながら、地域に求められているものをつくりあげる。そういった人のつながりを生かした細かなアプローチができるのは、中小企業ならではの良さであるような気がします。その積み重ねが、会社の価値を高めていると思いました。