第二回
なたもだ───
思いを分かりやすく伝える実践テクニック
仕事をしていると顧客への提案やプレゼン、上司への報告など物事を分かりやすく伝えなければならないシーンがあります。
しかし、コミュニケーションに苦手意識があると「どんなふうに伝えればいいのだろう?」と緊張しなかなかうまく伝えることができません。また、頭に浮かんだことを整理しないまま伝えてしまうと「〇〇さんの話は分かりにくい」「つまり、何を言いたいの?」などと言われてしまいがちです。
そこで、今回は、物事を分かりやすく伝えるフレームワーク「なたもだ」を紹介します。なたもだは、「なぜなら」「たとえば」「もし」「だから」の頭文字をとったもので、国語作文教育研究所の故宮川俊彦氏が提唱した論文や文章の組み立て方です。
なたもだの使い方はとても簡単です。最初に結論を一言で伝え、そのあとに「なぜなら(理由)~」「たとえば(例)~」「もし(反証)~」「だから(結論)~」の順番で文章を組み立てます。
たとえば、分かりやすく伝える際のフレームワークの有効性をなたもだで伝えてみます。
結論
分かりやすく伝えたいと思う場合、フレームワークを使うと便利です。
分かりやすく伝えたいと思う場合、フレームワークを使うと便利です。
なぜなら(理由)
なぜなら、フレームワークには分かりやすく伝える要点と順番が最初から組み込まれているからです。
なぜなら、フレームワークには分かりやすく伝える要点と順番が最初から組み込まれているからです。
たとえば(例)
たとえば、なたもだでは最初に「私が言いたいのは〇〇です」のように結論から伝えます。結論から伝えることで相手には「何の話なのか」が最初に分かります。次に「なぜなら(理由)」「たとえば(例)」「もし(反証)」「だから(結論)」のように順番に伝えることでその理由や例が端的に分かるため、論理的で分かりやすい話の流れができます。
たとえば、なたもだでは最初に「私が言いたいのは〇〇です」のように結論から伝えます。結論から伝えることで相手には「何の話なのか」が最初に分かります。次に「なぜなら(理由)」「たとえば(例)」「もし(反証)」「だから(結論)」のように順番に伝えることでその理由や例が端的に分かるため、論理的で分かりやすい話の流れができます。
もし(反対の証明)
もし、なたもだのようなフレームワークを使わない場合「〇〇は□□で、それで△△は××で……」のように頭に浮かんだことをそのまま話すことになります。けれども、これでは最初に結論が分からないため話の内容が理解しにくく、相手にとっては「この人は、何を言いたいんだろう?」と、意識を傾け続けなければなりません。
もし、なたもだのようなフレームワークを使わない場合「〇〇は□□で、それで△△は××で……」のように頭に浮かんだことをそのまま話すことになります。けれども、これでは最初に結論が分からないため話の内容が理解しにくく、相手にとっては「この人は、何を言いたいんだろう?」と、意識を傾け続けなければなりません。
だから(結論)
だから、意見を分かりやすく伝えるには、なたもだのようなフレームワークを使うと便利なのです。
だから、意見を分かりやすく伝えるには、なたもだのようなフレームワークを使うと便利なのです。
このように、なたもだを使うと話を端的に論理的に伝えることができます。プレゼンや文章で伝える際に、とても便利なフレームワークと言えます。なお、話をスムーズにするために「なぜなら」を「その理由はね」、「だから」を「つまり」など同じような意味の別の言葉に置き換えても問題ありません。
もしあなたが周りの人に「もっと意見を分かりやすく伝えたいな」と思ったら、なたもだを意識してみてください。
【筆者プロフィール】
NPO法人しごとのみらい 理事長竹内 義晴 氏
1971年生まれ。元はプログラマー。ギスギスした人間関係でストレスを抱える中、管理職を任されコミュニケーション力の必要性を痛感。その経験から、コミュニケーション心理学やコーチングを学ぶ。現在は「楽しくはたらく人を増やす」を活動テーマに、コミュニケーションの問題によって生じる職場の課題を解決し、楽しく働くことができるようコミュニケーションの講演・研修、講座、コーチング、カウンセリングに従事している。