vol.4
熟練技能を、いかに若い世代に伝承してゆくか?
製造業が抱える課題に、世代を越えたコミュニケーションで挑む事例があります。
今回の取材協力 ユーアイ精機株式会社
- 事業内容
- 自動車向け試作品製作・量産用金型製作・金型用部品加工
- 会社の強み
- 自動車向け軽量化素材の加工には自信があります。次世代自動車向けとして「マグネシウム合金」プレス加工に取り組んでします。
ここに注目! 「お仕事の魅力」
- 確認に始まり、確認に終わる。今本さんのお仕事は、まさに確認の連続!
- 加工技術と同様に大切なのが、工程管理。それは、自身以外の後輩社員の仕事も然り!
- 作業マニュアルでは伝わらないこと。それこそが、熟練者の技能であり、伝承の鍵!
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毎朝は、ドキドキからスタート!
私の1日は、最も気がかりな加工のチェックから始まります。
前日に加工スタートした製品が、無事終わっているかを確認します。ここでトラブルがあると、その日1日の予定を全て変更しなければいけないからです。確認は、NC機械と呼ばれる数値制御の加工機械で行います。 -
指導方法も十人十色!
計画に変更が必要な場合、ドラブルの要因が何か?どう修正すべきか?と言った具体的な指示を後輩社員に与え、自分の持ち場に向かいます。
後輩は、新卒の10代から外国人実習生まで多岐にわたるため、彼らが仕事を覚えるよう、その人に合った指導方法を考えなければいけないため非常に頭をつかいます。
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心配性は、職業病?!
会社にいる間は、加工の進捗は常に気がかり。休憩時間も気が抜けないため、仲間とのコミュニケーションを取りながらも確認作業は続きます。
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工程管理も技術のうち!
この仕事において、加工技術と同様に大切なのが、工程管理。たくさんの加工品を効率よく進めるため、打合せや確認は、1日に何度も行われます。
帰宅前にはもちろん、例え帰宅途中でも、気になる事があると、会社に戻り確認する時もあります。
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あいちの名工たちが、私の生きた教本!
当社で新しく導入される機械の多くは、最初に私が操作を行うため、自身も学ぶべきことが山積。こうした中、頼りになるのが「あいちの名工」に選ばれた当社の技術者たち。自身もその技術を身に着け発展させるには、最新機械を後輩が使用できるように指導する事はもちろん、昔からの技術を私が学ぶことも大切です。
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技術伝承の1ページに、自分自身も!
私の目標は、先輩たちから受け継いだ技術を最新の道具を使い、後輩に指導できるようになること。そのため、後輩と接する機会の多い私が、人材育成に担う責任は重いと感じています。後輩が成長する様子を見ることは、とても満足感とやりがいを感じます。
まだまだ、覚えることが多く、思うようにできないことも多くありますが、モノづくりに関わる楽しさや満足感を、後輩に伝えたいと思います。
作業マニュアルでは伝わらないこと。それこそが、熟練者の技能!
技術力ってなんだろう?永年当社が自問自答し続ける疑問です。私の考える答えは、作業マニュアルでは表現できないこと。その部分こそが実は大切で、それこそが熟練者の技能だと考えています。
自身で修得ながら、後輩にどう伝えるか、それも重要な技術と気が付きました。製品を作るには、加工技術+伝える技術、さらに表現する技術が必要だと、後輩社員に指導していきたいと思います。